はじめに
スキンケアの重要性
アトピー肌において、肌の状態が良いときも悪いときも、毎日のスキンケアはきちんと行っていかなければいけないと思いました。
アトピーは、皮膚のバリア機能が弱い体質の方に多く見られ、かゆみを伴う湿疹が繰り返し出る慢性的な皮膚の病気 です。 皮膚が乾燥しやすく、外からの刺激やアレルギー物質(アレルゲン)に対して過敏に反応しやすい という特徴があります。
スキンケアによる皮膚のバリア機能の回復、維持をしていくことで、アトピー改善の手助けになります。
スキンケアに向き合うまで
私はデュピクセントの治療をするまでスキンケアは殆どしておりませんでした。
理由は、結局、アトピーはステロイド軟膏でしか肌を治す方法がないのだと諦めており、皮膚科で処方されたステロイド軟膏とクリームを塗っておりました。
肌の状態が悪いときはステロイド軟膏+クリームを塗り、良くなればケアは行っていませんでした。また悪くなるとステロイド軟膏+クリームを塗るというのを繰り返していました。なので、約月1回のペースで皮膚科に通っておりました。
当時、処方されていたステロイド軟膏です。
肌荒れのとき(8本ぐらいもらっておりました)

肌荒れがひどいとき(3本ぐらいもらっておりました)

クリーム(8本ぐらいもらっておりました)

スキンケアの大事さについては、アトピーに対して諦めもあり、詳しく調べたことはありませんでした。諦めていた理由は、アトピーというのは体質の問題であり、体質が劇的に変わらない限りかゆみを改善することはできない、スキンケアをしても無駄だと思っていました。
スキンケアに対して前向きになったのは、デュピクセントの治療を始めて1か月ほど経った時でした。かゆみが治まってきて肌の状態が良くなってきたので、この状態を維持していきたいという思いでケアをきちんとするようになりました。
皮膚に炎症が起こるメカニズムとは
アトピーにおける皮膚の炎症は、主に「免疫系の過剰反応」と「皮膚バリア機能の異常」が複雑に絡み合って発症します。
ここでは「皮膚バリア機能の異常」について触れていきます。
アトピー肌は「角質層」といわれるバリア機能が低下しており、角質細胞間の結合が弱くなっています。そのため、外部からの刺激を受けやすく、アレルゲン(ダニ・ハウスダスト・花粉など)、細菌、ウイルスなどが容易に侵入し、炎症やかゆみを引き起こしやすくなります。
角質層の主な役割は、「バリア機能(外敵から守る)」と「水分保持機能(うるおいを守る)」です。
バリア機能として、外部の刺激(アレルゲン、紫外線、細菌、化学物質など)から体を守る役割と、水分保持機能として水分を保持し体内の水分が外に逃げるのを防ぎます。健康な肌の角質層は約15%~20%の水分を含んでいます。

スキンケアの役割
アトピー肌は角質層のバリア機能が低下してい状態のため、保湿剤を使用してバリア機能の回復、維持をしていきます。スキンケアのタイミングとしては、入浴後など、皮膚が潤っている状態で保湿剤を塗るのが効果的です。
化粧水や乳液・クリーム、ワセリンがよく使用されます。
アトピーは、症状が良くなったり、悪くなったりをくり返すため、症状が悪いときだけでなく、良いときにもスキンケアを行うことが大切です。よって、スキンケアは毎日することが大事です。
最近は、季節が暖かくなってからスキンケアを疎かにしていたため、肌の状態が良くないことが何度かありました😓 初心に戻りきちんとケアをしていこうと思います!
スキンケアのタイプ
化粧水
保湿成分で肌の水分補給を行います。肌を柔らかくし、次のケアの浸透を助けます。
乳液・クリーム、ワセリン
油分で肌の水分を逃がさないよう軽くフタをします。水分の蒸発を防ぎ、保湿を維持させます。
乳液・クリーム・ワセリンの違い
項目 | 乳液 | クリーム | ワセリン |
主成分 | 水分+油分(軽め) | 水分+油分(重め) | 油分のみ |
保湿力 | 中程度 | 高い | 非常に高い(密閉性) |
水分補給 | 〇 | 〇 | ×(補えない) |
使用感 | 軽い | しっとり | ベタつきやすい |
目的 | 水分と油分のバランス調整 | 水分保持+保護膜形成 | 水分の蒸発を防ぐ |
肌の状態や季節によって使い分けるとよいです。
ちなみに、私はデュピクセントを始めた時期が冬だったのと値段が安かったという理由で、ワセリンを多く使っていました。
(これを使っていました)

デュピクセントの効果で肌をかくことが少なくなってきたということもありますが、ワセリンだけでも肌の状態はだんだん良くなっていきました。
しかし、ワセリンはベタベタしているので、夜風呂上りに塗った後はワセリン専用の肌着(肌に優しい白いシャツ)を着て寝ました。使用は1日2回、夜は多め、朝は薄く塗りました。
スキンケアの方法
肌を清潔にする
・炎症の原因となる汚れや汗を除去するため
汗やホコリ、花粉、皮脂などの汚れは、肌に刺激を与え、かゆみや炎症を悪化させる可能性があります。
・黄色ブドウ球菌などの悪玉菌の増殖を防ぐため
アトピー肌はバリア機能が低下しているため、黄色ブドウ球菌が定着・増殖しやすくなります。黄 色ブドウ球菌は皮膚に常在する菌であり、通常は健康な皮膚に存在していますが、アトピーの患者はその数が以上に増加することがあります。
・保湿剤の効果を高めるため
汚れが残っていると、薬や保湿剤が肌に浸透しにくくなります。洗浄後に塗布することで、治療効果が最大限に発揮されます。
保湿を行う
・皮膚のバリア機能を保つため
肌を清潔にするため入浴し体を洗いますが、同時に皮膚の脂分も洗い流されますので、何もしない状態でいるとすぐに皮膚が乾燥します。お風呂上り、5分以内に保湿剤を塗ります。
・保湿剤を塗るときの注意点
肌をこすらず、やさしく手のひらで広げながら塗ります。
お風呂上りは体が温もり全身かゆくなるので、無意識に強く塗らないよう注意です。
スキンケアを続けた結果
自分の体験
私は、皮膚科から処方されたクリームとワセリンでスキンケアを行っていました。
デュピクセントのおかげで、殆どかゆみがなくなりましたが、肌はすぐにカサカサになる状態でした。スキンケアを続けたことによって、肌の変化について感じたことは3つあります。
①肌全体がつるつるしてきました。
妻からは「背中がつるつるしている!」とびっくりされました。
②肌がきれいになってきました。
肩から背中にかけて点々と黒ずんだ傷がありましたが、だんだんと薄くなってきました。
③顔の赤みが殆どなくなってきました。
顔の赤みがひどい時用にファンデーションを持っていましたが、必要なくなりました。
一般的な変化や声など
・バリア機能の回復
乾燥や刺激に対する抵抗力が高まり、かゆみや赤みが減少。
・炎症の軽減
定期的な保湿により、慢性的な炎症が落ち着く。
・かき壊しの減少
かゆみが減ることで、無意識のかき壊しが減り、色素沈着や傷の悪化を防ぐ。
・肌の質感の変化
ゴワつきが減り、柔らかくなったと感じる。
【よく聞かれる感想・声など】
感想 | 内容 |
肌が落ち着いてきた | 急な悪化が減り、日常生活が快適になった |
人前に出るのが怖くなくなった | 見た目の改善により自己肯定感が向上 |
スキンケアが習慣になった | 面倒だと思っていたケアが、安心感につながる |
季節の変化に強くなった | 冬や花粉の時期でも悪化しにくくなった |
完治ではないけど、コントロールできてる | 症状がゼロではないが、予測と対処ができるようになった |
最後に
アトピー肌は、状態が良いときもスキンケアが大事だと自らの体験によって実感しました。
かゆみというのは無意識のうちにかいてしまいます。
意識していても、肌がジュクジュクするまでや血が出るまでかき壊すこともあります。
なるべく、肌の炎症やかゆみを引き起こさないよう、毎日スキンケアを行うことが、アトピーの改善につながると思います。
アトピーを完治することは難しいと思いますが、きちんとした治療やケアを行っていれば、かゆみを90%以上改善できる状態に持っていくことは可能です!

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